主題;「友愛数」について
1.まえがき: |
2009年5月13日(土)民主党代表選挙が実施され鳩山由紀夫氏が代表に選出された。解散になるのか任期満了なのか、いずれにしても今年行われる総選挙で民主党が政権交代出来るかが世間の注目するところであろう。 代表選は短期間で終わってしまったが、期間中また当選後も鳩山氏は「友愛」をさかんに口にしていた。TVや新聞では祖父の鳩山一郎元首相がこの「友愛」を唱えていたことから由紀夫氏も「友愛」を政治の基本理念にしているらしい。 フランス革命政府は「自由」、「平等」、「博愛」を標語としたがこの「博愛」と「友愛」は同義語と思われる。 鳩山一郎は秘密結社「フリ-メイソン」の会員とのことであったが、「フリーメイソン」の教義の一つが「博愛」らしく由紀夫氏が今日の非常事態に「友愛」を唱えてはたして選挙に勝てるのか疑問である。 |
2.友愛数(amicable Number): |
数の基本は1で順次1を足して行くと自然数になる。古代ギリシャ人は暇にまかせて数に哲学的思考を行っていた。 1は宇宙を造った神と同等、2は天国と地獄の対比から悪魔的な数(不幸)、3は三位一体の完全無欠、4は東西南北の自由を表し幸運な数(4葉のクロ-バの根拠か)、5は正5角形の対角線によって分割された黄金分割が隠されていると神秘的な解釈をしていたのである。 6の約数は1、2、3、と自分自身の6である。6は自分自身以外の約数の和(1+2+3=6)が自分になる数ということで完全数と呼んだ。完全数6、28、496、8128は紀元前に発見さてている。 完全数を探す過程の中で自身の約数の和に当たる数の約数の和が相互に該当する組が見つかった。 220(1,2,4,5,10,11,20,22,44,55,100の和=284)、284(1,2,4,71,142の和=220)である。 自身を規定する因子(約数)の和が他者を規定するという相互関係をピタゴラスは「友愛数」と名づけた。これ以外に紀元前には発見されず、フェルマーが1636年に二番目の「友愛数」17296、18416を発見。2年後に3番目をデカルトが見つけた。その100年後にオイラーは62組の友愛数を発見している。 ピタゴラスの定理 X2+Y2=Z2 を満足する整数X,Y、Zは無限にあるが、フェルマーは X n+Y n=Z nでnが3以上の時、X、Y、Zを満足する整数は存在しないとノート余白に書き付けた。 1と自身以外の約数を持たない素数を探すことも含め、全てなんらかの規則性を見つけることに一所懸命になっているのだ。そのことが科学の発展に繋がったのだと思う。 |
3.あとがき: |
友愛の直独訳はフロイントリープ(Freunt Lieb)で広尾にこの名前のドイツ洋菓子店がある。先月半ば赤坂に所用があり、帰りに六本木経由にてこの洋菓子店に寄ったのだが生憎休みだった。麻布にもあるらしいがこちらには行ったことがない。フロイントリープは神戸に本店がある。 第一次大戦時、当時ドイツ領であったチンタオ(青島)を日本軍が攻撃し多数のドイツ人将兵を捕虜にした。内地で収容所に入れられたドイツ人捕虜の待遇はお客さんあつかいであった。この捕虜達は敷島パンやユーハイム洋菓子店の基礎を築いたと伝えられるが、フロイントリープも同様である。 |
4.参考資料: |
|
1.「数の不思議」草葉公邦 | 講談社現代新書 |
2.フリー百科事典『Wikipedia』 |