主題;イギリス詩 5選
1.Daffodils 水仙 |
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William Wordsworth(ウイリアム・ワーズワース: 1770~1850) | ||
辞書によると元は「Leek(にら)であったが、Daffodilに代わった」とある。 |
2.Hohenlinden ホーエン・リンデン |
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Thomas Cambell(トーマス・キャンベル:1777~1844) | ||
チャーチルも第二次世界大戦時には、ドイツを指して「ラインの向こうの蛮族」と称したとのこと。 紀元前43年のローマ軍侵入以降ブリタニアは文明人になったとの意識か? |
3.Child Harold's Pilgrimage チャイルドハロルドの巡礼 |
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George Gordon Byron(ジョージ・ゴードン・バイロン:1788~1824) | ||||
「チャイルドハロルドの巡礼」はバイロンがスペイン・ギリシャ・イタリア・スイスなどを旅して詩集にしたもので、上記詩はその第2巻目に載せられている。 1779年トルコ駐在イギリス大使として赴任したエルギン卿はスコットランドの貴族で当時トルコの支配下にあった、ギリシャのアテネへ行き、パルテノン神殿を飾っていた彫刻像を、トルコ政府の許可を得ていたとはいえ、10年の年月をかけて神殿の柱や壁から剥がし、イギリスへ持ち帰ったのである。 1811年バイロンは最後の積荷が運ばれる船に乗り合わせこれに憤激して詩にしたのである。 カレドニアはスコットランドの旧称でありバイロンの母はスコットランド貴族の出であった。バイロンには半分スコットランドの血が流れていたのであった。 ロンドンの大英博物館にはイギリス政府がエルギン卿から買い上げたこの彫刻象が展示されている。 ギリシャは1830年に独立し建国当初からイギリスに彫刻群を返還するよう求めているが、イギリスはこの返還を拒否している。イギリスの保存技術はすばらしく、またロンドンにあればこそ多くの人々がこれを見られるのだと。 その恩恵にあずかり、地中海の島々から発掘した彫刻・塑像・壺などやエジプトから持ち帰ったミイラやロゼッタストーンなどを見ることが出来たのだから。またイギリスのすごいところは、入館料が要らないことである。維持管理にはかなりの金がかかっているはずだが学術文化を担う心意気には恐れ入る。 チャールズ皇太子の父(即ちエリザベス女王の夫君)フィリップ・マウントバッテン・ウインザー公はギリシャの王政廃止によってイギリスへ亡命した国王の孫である。従ってチャールズ皇太子がイギリス国王になった暁にはこの彫刻群が返還されるかもしれない。 |
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4.Pippa'Song ピパの歌 |
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Robert Browning(ロバート・ブラウニング:1812~89) | ||||||
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5.A Memory 思い出 |
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William Allingham(ウイリアム・アリンガム:1824~89) | ||
31語の中に水・鳥・草・春・空・雲・追憶・涙と多数の言葉が入り、読み側の憶測が入り込む余地がないような感がする。 韻を踏んでいるので声を出して読んでみると味が出てくるのか? 鴨(雁がね)・和歌にて検索し、3首挙げてみた。 ● 秋風に大和へ越ゆる雁がねは いや遠ざかる雲隠りつつ (万葉集) ● 我が心誰に語らん秋の空 萩に夕風雲に雁がね (竹林抄) 権大僧都心敬=中世の完成期の連歌師(1406~1475)。和歌を歌人・正徹に学び、冷え・さびた境地を目指して和歌連 歌を詠む。音羽山麓の十往心院に住したが、応仁の乱を避けて関東に下向、諸国を流浪しつつ、関東武家の和歌連歌 の指導に当たり、相模大山に没した。 (http://www.ris.ac.jp/kokubun/top.html) ● あし鴨の跡もさわがぬ水の江に なほすみがたく春やゆくらん (壬二集/江上暮春 藤原家隆) (http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/saijiki/saijiki.html) |
参考資料:
1 | イギリス名詩選 | 平井 正穂 編 | 岩波文庫 |
2 | 物語 大英博物館 | 出口 保夫 | 中公新書 |
3 | 国際情勢の見えない動きが見える本 | 田中 宇(さかい) | PHP文庫 |
4 | 研究社英文学業書(主幹岡倉由三郎/市河三喜) 非売品大正11年1月発行 |