主題;ザクセン(Sachsen)について:
1.前書き: |
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5世紀に現在の北ドイツからAngeln族、Sachsen族がBritaniaへ渡り、原住民であるKelt人やPikt人を支配征服した人々の末裔がAnglo-Saxsonと自称/他称のイギリス人である。 また、イギリスからアメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドへ移民した子孫もAnglo-Saxsonを名乗っている。 現在のドイツではAngeln族は消滅してしまったが、Sachsen人は5万人どころか2千万人を越えているのではないだろうか。 |
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2.フランク王国: |
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3~4世紀にはフランク族は、ライン川下流から中流域に現れる。 フランク族を統一したクローヴィスは、496年に現フランスとベルギーの地域にフランク王国を建てる。これをメロヴィング王朝という。 西暦535年頃までにはBurgund(Brugogne),Alemannnen,Baiern,Thueringenの各部族を征服したが、Sachsen族を支配することは出来なかった。 751年には、フランク王国の実質的な権力者であった宮宰(家老)のピピンがフランク王国の国王になる。これをカロリング王朝という。 ピピンの子カール(大帝)は、774年イタリアを支配していたランゴバルド王国を倒し、804年にはついにザクセン族を支配下に置いた。 |
3.ザクセン公国: |
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ザクセン族は、エルベ川から南西にライン川、南はチューリンゲンまでの地域に住んでいた。カール大帝のフランク王国に征服されたザクセンは、850年頃公国になったようである。 カール大帝の孫の代でフランク王国は、西フランク(フランス)、ロタール(オランダ・ベルギー・アルザス・スイス・イタリア)、東フランクに分裂する(843年ヴェルダン条約)。その後イタリヤを除いたロタールは、東西フランクに分割される(870年メルセン条約)。 911年カロリング家が断絶し、フランケン公コンラートが国王になる。918年コンラートは死に際し、ザクセン公ハインリッヒを国王に指名した(ザクセン朝)。 ハインリッヒはエルベ川の北のホルシュタイン及び東はスラブ人が住むオーデル川口まで、南東はブランデンブルグからライプチッヒ・ドレスデンを超えてチェコまで進出した。 アジア系と言われているマジャール(ハンガリー)人がフランク王国深く侵入して来た。955年ハインリッヒの子オットーがレッヒフェルトにてこれを打ち破ったことは、本誌#42 「オーストリア概略史」 でも述べた。 イタリア国王を兼ねたオットーは、962年ローマにて戴冠し神聖ローマ帝国皇帝となる。オットー(1世)の後、オットー2世、3世、と続きバイエルン公のハインリッヒ2世が1024年に死んでザクセン家は断絶する。皇帝となったのはザリエル家(フランケン公)コンラート2世であった。 |
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4.ザクセン選帝侯国から王国へ: |
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エルベ川中流に1356年、アスカーニア家の所領としてザクセン選帝侯領が設立される。1550年から1580年には、ザクセン選帝侯国はチェコ国境へとその領土を広げる。 1807年、ナポレオンによってザクセンは王国となる。 1871年、プロイセン(ビスマルク)によるドイツ統一後もザクセンはドイツ帝国内の王国として存在していたが、1918年ドイツが共和国となったと同時に王国は消滅した。 |
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5.ドイツ連邦共和国としてのザクセン: |
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現ドイツにはザクセンの名がつく州が3つ存在する。ハンブルグから南西北海及びオランダ国境から東へNieder-Sachsen、 Sachsen-Anhaltと続き、Sachsen にてチェコ国境に達する。これはザクセン族が歩んだ道に他ならない。 ザクセン王国の首都であったドレスデン、商業都市ライプチッヒ、焼き物で有名なマイセンなどは旧東ドイツ領であったが、今は気安く訪れることが出来る。 |
6.あとがき: |
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エシュロンとは、有線・無線を問わずあらゆる通信情報の傍受・解読を行っている組織(機関)で、それから得た情報は、アングロ-サクソン・クラブのみが所有・利用出来るのである。 アングロ-サクソン・クラブとは、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国で構成されている。 EU(仏・独)が最近調査した結果、エシュロンの存在は間違いないとの結論に達した。しかしながら英・米両国はこれを認めていない。 仏・独合同軍の創設や仏・独主体のユーロはドルを脅かす存在となって、アメリカに対抗している。仏・独の結びつきは、かってのフランク王国の様に見える。 |
参考図書、資料
世界の歴史 中世ヨーロッパ | 中公文庫 |
Grosser Atlas Zur Weltgeschichte | Westermann |