主題;ゲルマン/ロマンス語境界線

1.ベルギー(Belgium)
 

 ベルギー国内の真ん中を東西にゲルマン語とロマンス語の境界線が走っている。
 現地の人は、北側で話されるオランダ語をFlamischと呼んでいる。一方南側で話される言語をFrenchと呼んでいるがフランス語の方言のWallon語である。
 FlamischはFlandern(フランダース)の言葉、WallonischはWallone人即ちラテン化したWelsche(ケルト人)の言葉を意味する。

 ドイツ駐在時にBrusselにある会社を訪れた際、営業だけではなくサービスマンも英語を話すのだが、native languageはそれぞれFlamischだのFrenchだのと言っていた。
 なんとなくケルト系の方がゲルマン系より明るく、打ち解けやすかった気がする。

 販売した機械の修理のため日本から2名の応援を得て1980年1月中旬から2月中旬の1ヶ月間 Brussel,Namur、Monsに滞在した。
 日曜日には息抜きでBruggeの美術館へRubensを見に行ったのを思い出す。


2.スイス(Switzerland)
 スイスではドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンス語が公用語でその人口比率は70%、19%、10%、1%である。

 ロマンス語にはGalo-Romaunsch、Italo-R,Ibero-R,Rato-Rがあり、スイスのロマンス語はローマ化したケルト人の言語Rato-Rである。
 ゲルマン人の大移動でフランス語地域は、Burugund(Bourgogne)人が、ドイツ語地域はAlemanne人が入った名残りである。

 Frank人同様、Burugund人もゲルマン人であったが現地人の方が圧倒的に多かったためローマ化しGalo-Romaunsch(フランス語)を話すようになった。

参考図書

世界民族言語地図 東洋書林
Grosser Atlas Zur Weltgeschichte Westermann
スイス・オーストリア (ブルーガイド海外版) 実業之日本社