茶杓の魅力 茶人の心を映す
目次
誌上特別公開 茶杓のかたちを俯瞰する
04 近衛家熈の茶杓箪笥 協力=陽明文庫
16 予楽院近衛家熈の茶の湯 名和 修
18 対談 近衛家熈の茶杓箪笥を拝見して茶杓に秘められる「茶の心」 名和 修・池田瓢阿
22 茶杓の歴史を通覧できる貴重な「茶杓箪笥」 池田瓢阿
40 竹茶杓の歴史 ~一片の竹がなぜ名品と呼ばれるようになったか ~ 池田瓢阿
50 黒田正玄家に教わる 茶杓の基礎知識 監修‥黒田正玄
【聞き書き 茶杓語り】
72 二つの境地を顕す「竹箆」と「如意」 染山宗江さん
76 お水取りの趣向で、春の兆しを味わう 大杉宗直さん
80 薬匙やら茶箱用まで象牙の茶杓 協力=象牙屋片岡商店
84 茶杓削りを楽しんだ近代の数寄者たち 協力=飯田好日堂
【インタビュー 茶杓を創る】
92 木から生まれた自由なかたち 久野輝幸さん
96 古代ガラスを活かした銀の杓 藤井由香利さん
100 心を羽ばたかせる銘の言葉 浅井伸一さん
104 付録近衛家熈の茶杓箪笥に収められた茶杓一覧
105 付録近衛家熈自会記使用茶杓一覧
109 [いっぷくコラム]茶の湯スイス通信⑧ 懐石の食材を探す 山田博美
[編集室]の欄には、
● 茶杓は、茶の稽古を始めるとき、最初に出会う道具の一つです。割稽古で帛紗の捌き方を習い、棗とともに清める。拝見の稽古の際も欠かさず客が手に取り、亭主と問答する。しかし、この馴染みある小さな竹杓の中に様々な相があり、奥深い世界があることに気付いたのは、お稽古が進んでずいぶん後だったように思います。
そんな茶杓を知る号にできればと、近衛家の名宝を蔵する陽明文庫の「茶杓箪笥」をはじめ、平家十職の黒田正玄家の茶杓、あるいは現代的な茶杓のありようについて、「茶杓
尽くし」の誌面を編んでみました。
読者の皆様の茶杓を知る一助になれば幸いに存じます。 |