図書名

別冊宝島2095号 

図書番号;

016

  千 利 休

   


創 刊 人     蓮見 清一

共同発行人

   関川 誠
 熊谷みのり

編 集 長

   井野 澄恵

制作責任者

   伊藤 俊之
発 行 所     株式会社 宝島社
発行年月日     2013年12月15日
(平成25)
定  価     980.-(本体933.-)
購入年月日     2013/11/20
 

 


千利休

裏表紙には、次のようにある。
 この本では以下の謎に迫っていく。
 一、千利休はなぜ自死しなければならなかったのか7
 二、千利休は生涯で何を求めたのか?
 三、茶道における“侘び寂び”とは何か?

 この扉を開けて、一緒に千利休の素顔に迫つてみよう。

 ************************
 この本に掲載されている「茶杓」は、次の2本である。

 82頁
  三斎所持の茶杓では随一と絶賛  所蔵;永青文庫

 茶杓 銘 ゆがみ 千利休作、 細川三斎所持 桃山時代 16世紀
  ゴマ竹を使用。櫂先の形状などが利休形とされる。そもそも茶杓には中節がないのが普通だった
 が、利休の頃から中節が出るようになった。中節の上が少し傾いており、そのゆがみがそのまま銘
 になった。利休作の茶杓では、89ぺージで紹介する「泪」と並ぶ名品とされる。三斎が所持してい
 たのだが、しぶしぶゆずることになり、「涙をこぼしました。ふと(はずみで)お約束してしまった
 のです」と未練あふれる添え状をつけた。

 89頁
 死を覚悟した利休がみずから削り出した傑作 所蔵;徳川美術館

 竹茶杓  千利休作  桃山時代 16世紀 
  切腹する前の千利休が、みずから竹を削り、最期の茶会で古田織部に与えたという茶杓。織部一族
 を処罰した徳川家康は織部の家財すべてを没収した。家康の死後、織部の家財は徳川御三家で分けら
 れたのだが、この茶杓は尾張徳川家初代義直に伝来することになった。利休がっくった茶杓のなかで
 もとくに薄づくりで、樋(とい)が深く通り、有腰(ありごし)※となっている。古田織部はこの茶
 杓  用に窓を開けた筒をつくり、その窓から見えるこの茶杓に亡き師匠を重ねて位牌代わりに拝ん
 でいたといわれている。
 ※有腰……茶杓の節の裏の反ったようなつくり