16/10/03
金木犀
  昨日は久し振りの青空でした。今朝は曇り空で、午後は雨とのことです。先週も曇り空や雨降りで蒸し暑い日々が続いていました。関東の今年の9月は晴天の青空をどこかに置き忘れて来たようでした。聞けば、関東の日照時間は例年の25%しかなかった、とのことです。
 図録はこの時期の定番のものです。街を歩いているとこの花の香りがそこはかとなく漂ってきま来ます。先週の金曜日に鎌倉の建長寺を訪れたのですが、その境内でもこの香りが漂っていました。

 ところで、今回は“東電委員会”のお噂です。経済産業省は先月の20日、福島第一原子力発電所の廃炉費用負担や東電ホールディングス(HD)の経営改革を議論する有識者会議「東電改革・
福島第一原発問題委員会(東電委員会)」を設置した、と報道されました。廃炉費用が膨らみ、東電だけに負担させるのは難しくなっているためで、10月から議論を始め、年度内に最終案をまとめる予定、とのこと。経産相は20日の記者会見で、「(福一)廃炉費用は増大しており、放置すれば福島復興や事故収束への歩みが滞りかねない」と委員会を新設する理由を説明した、とも伝えられました。
 つまり、このまま“放置すれば福島復興や事故収束”が出来なくなると国民目線の言い方をしていますが、本音は国是の原子力政策に破綻を来しそうな様相になりそうなだ、と気づいたのです。東電はこれまで福一の廃炉費用として約2兆円を自力で捻出する計画でしたが、最長40年かかるみられる廃炉費用は数兆円を越えそう、とのことです。更に、事故の賠償金の支払額も2014年1月の計画では約5兆円の見積が、既に6兆円を超えているのです。そんな状況下で、東電HDは事故の関連費用を工面できないとして、7月に国に支援を要請していました。その意味ではこの東電委員会は、東電HDの要請に応えるためのものなのでしょう。
 東電委員会での議論のポイントは、次の通りです。
(読売新聞朝刊 09/21付)
 *東電の経営改革策
 *福島第一原発の廃炉費用負担のあり方
 *賠償金や除染費用の負担のあり方
 *新規参入企業の原発電力の活用策
  この議論の中で、東電の経営改革策は、企業存続の方策としては当然のことでしょう。ですが、私企業であれば、人様にとやかく言われる前に自らの改革案を示すべきと思うのです。これ(経営改革策)を座して待つの姿勢であれば、東電HDに当事者能力の有無を疑うべきことを公表すべきでしょうし、代替の組織案の検討を論議すべきでしょう。
 また、他のポイントは、国民に負担を押しつけることによってのみ解決できる方策です。委員会の皆さんが議論しても、掛かるものは掛かるのですから、押付の金額(負担金)が減るわけではないのです。となれば、この委員会での議論のポイントは、上記の項目などでなく、負担者=国民が納得できる説明の構築でしょう。例えば、従来から現時点に至るまでの原子力村住民の言い草(物言い)は、『原発の電力は最も安い』でした。これがこの段に及んでも、まだ正しいことを国民に証明することでしょう。国是の原子力政策を進めるのであれば、前回、お噂で申しあげた“もんじゅ”に関連する核燃料サイクルに投じた費用、上記の福一事故に関連する費用、全国の既存の原発に関連する廃炉費用(今後に発生する筈です)等々を含めた総額を算出し、議論して欲しいものです。これらを勘案すれば、『原発最安価』は神話だ、に違いありませんが、無理な相談でしょうね。
 結局、この東電委員会の有識者の議論とやらも、東電HD温存を含めた原子力村住民の既得権益の保護、ということになり、民(愚民)への押付増加策をそれらしく見せるための、霞が関のお役人がお得意の愛用する“作文”のための応援資料の提供になりそうです。これも“未来”のための方策でしょうか。
 付記〉;東電委員会のメンバーが公表されていましたので、ご参考までに。   ≫こちら (pdf file;150kb)
 (老生には、既得権益者一覧表に見えるのですが、如何。)
平成27(2016)年9月29日(木):撮影