16/09/19
朝顔と向日葵
   22日は、二十四節気の秋分(昼と夜との時間が等しくなる。本格的な秋の始まり)です。そして、彼岸の中日で、古来より“暑さ寒さも彼岸まで”でしたが、近年では秋を感じるのはしばらく先のこととなっています。今年は如何。
 図録は、花の盛りからは遅れていますが、この陽気の故でしょうかまだ咲き残っています。これも温暖化の影響などと思うのですが、朝顔は秋の季語だそうです。季語を決めた人々は現代の温暖化を予測していたのでしょうか。(向日葵は夏の季語でした。)

 ところで、今回は「未来投資会議」(何やら仰々しいことです)についてのお噂です。これは先週の13日に報道されものですが、報道によれば、『政府は12日、成長戦略の具体策を立案する官民会議「未来投資会議」(議長・安倍首相)の初会合を首相官邸で開いた。名目国内総生産(GDP)600兆円の目標実現に向けた
取り組みの一環で、人工知能(AI)などを活用した「第4次産業革命」などを推進するための戦略に関する議論を本格化させる。来年夏にも新たな成長戦略をとりまとめ、その後の予算編成などに反映させたい考えだ。』とのことです。 現時点、我が国の経済は設備投資や個人消費が伸び悩み、日銀の大胆な(ある意味、無謀な)金融緩和や財政出動で景気を下支えしているのですが、デフレ脱却の目標は達成できていません。そのため「アベノミクスのエンジンを最大限にふかす」という首相の言の実現のための方策が、この「未来投資会議」なのです。ここでは、“成長戦略”の推進が必要とのことで、
 この「未来投資会議」で取上げる方策は、
 @第4次産業革命とイノベーション(技術革新)
 A企業関連制度改革・産業構造改革
 B医療・介護
 Cローカルアベノミクス(地方経済の活性化)
の4項目を実行しようとしています。
 ですが、この方策が“成長戦略”ですって、ちょっと変だなぁ、です。
 ここで、言葉の定義など御喧しいことですが、一般に“戦略”と“戦術”は、軍事用語として使われていますが、政治やビジネスなどでも使われるようになった言葉です。軍事用語としては、“戦略”
が、戦いに勝つために兵力を総合的・効果的に運用する方法で、大局的・長期的な視点で策定する計画手段を言います。“戦術”は、戦いに勝つための戦地で兵士の動かし方など、実行上の方策のことです。現代では上記の意味から、“戦略”が、組織などが運営していくための将来を見通した方策や、目標を達成するためのシナリオなりますし、“戦術”は、目標を達成するための具体的な手段、実践的な計画といった意味になります。つまり、目標を達成するための総合的・長期的な計画手段が“戦略”で、その戦略を行うための具体的・実践的な計画手段が“戦術”となるのです。
 この定義で上記の4項目を勘案すれば、そこにあるのは戦略というより戦術に分類されるのではないでしょうか。とすれば、“成長戦略”ではなく“成長戦術”となるのではと思います。
 戦術的項目でも達成できれば良い訳です。ですが、戦術を戦略と言い換えて、俗にいう“箔をつけて”それらしく見せるやり方は、旧大本営の亡霊が蘇ってきたのでしょうか。上記にあるように“戦略”であれば、目標を達成するための総合的・長期的な計画手段、である筈です。近年の我が国は戦略に先立つ、国の目標設定が明確でないように思います。この不明確さが今日のデフレ脱却の阻害する最大の要因でしょう。
 この辺りに気づいて欲しいのですが、無理な相談でしょうか。現時点の既得権益者の保護やそれに引きずられた“成長戦術”では、国の大勢を変えることを試みるなんって、「オコガマシイコト」と思うのです。
平成27(2016)年9月7日(水):撮影