16/05/23
都忘れ
    梅雨前の5月の晴天の日は、一年の中で一番過ごしやすく、気分も晴々します。このような日を「五月晴」、と言うのは本来の意味の誤用だと最近知りました。また、「鳴かず飛ばず」の本意は、「将来の活躍にそなえて何もしないでじっと待っているさま」で、これも先ごろ知ったことです。言葉は変化するとのことですが、変化の前の本意を知らずにいる、イヤハヤです。

 図録はこの季節の花で、別名を野春菊(ノシュンギク)、東菊(アズマギク)とのことです。「承久の乱によって佐渡に流された順徳天皇が、この花を見ると都への思いを忘れられるとの話によるとされ、この由来によって花言葉は「別れ」や「しばしの憩い」などといわれる」は、ウィキペディアからの引用です。
 ところで、成長戦略「日本再興戦略2016」案についてのお噂です。全国紙Yの朝刊(05/15付)に、政府は「情報技術(IT)や人工知能を使って産業の高度化を図る「第4次産業革命」の推進を戦略の中心として掲げ、その実現に向けて政府全体の司令塔となる「官民会議」を設置することが柱だ。 /会議は安倍首相が主宰し、関係閣僚や経団連の榊原定征会長ら経済界の代表で構成する。省庁の縦割りを防ぎ、様々な施策を素早く実行する狙いがある。19曰の産業競争力会議(議長・安倍首相)で取りまとめ、31日にも閣議決定する。」ありました。
 また、「日本再興戦略2016」の“基本的な考え方”の要旨は、「『国内総生産(GDP)600兆円』経済を実現するには、企業が豊富な内部留保を未来への投資に積極果敢に振り向けることが不可欠。官民で認識と戦略を共有し、新たな有望市場を創出する。」、とのことです。
 つまり、”再興戦略2016”は、企業が使い道が見つけられず、貯め込んでいる内部留保を未来への投資、言い換えれば、その使い先を、皆で決めることにしましょう。そして、決めるための会議(「官民会議」)を作りましょう、なのです。
 使い道の具体案としては、「情報技術(IT)や人工知能を使って産業の高度化を図る「第4次産業革命」の推進を戦略の中心と」するとのことです。また、第4次産業革命とは、「政府全体の司令塔として「官民会議」を設置。企業や組織の垣根を越えたデータ
 利活用の推進。サイバーセキュリティー対策の強化。自動走行やスマート工場の実現、ドローンの産業利用を可能にするための規制・制度改革の推進。中堅・中小企業の情報技術(IT)化、ロボット導入」、とも書かれています。要するに、未来と言いつつ、現時点、目先あるいは直近にある技術にお金をつぎ込んで経済成長を、と目論んで行こうと言うもののようです。
 このようなことで、成長が出来ると本気で考えているのでしょうか。我が為政者はこの程度の事柄に戦略など言葉を使うのか、寂しい気分です。経済成長万能には疑問ですが、適切・適度な成長は国民にとって不可欠なことです。ですから、為政者がなすべきは、目標を掲げることがまず第一でしょう。国民のベクトル、つまり目指す方向と規模を明確にするのは、夫々の組織の事項だと思うのです。
 一般の私企業には長寿の企業と称されるものがあります。創業以来の部門収益は何時も間にか小さくなり、その後に取り組んだ事業が今の儲け頭となり、抜け目なくその儲けを将来への布石に使っている企業です。規模その他の事情は異なりますが、国家の在り方も、この様なものでは、と思います。
 「日本再興戦略2016」と言いつつも、中身は戦術の羅列です。例えば、“データ利活用の推進”ってありますが、集めたデータを何にどのように活用するの?、です。目標・目的に不必要なデータを集めても、時間と金の無駄使いで、ここに内部留保を注ぎ込むなんて、考えられません。常識人(?)なら気付くことを得意気に伝える全国紙Y、“お前もこの仲間か”です。
平成27(2016)年5月8日(日):撮影