16/03/07
沈丁花
  先週末の5日は、二十四節気の啓蟄(蟄中が戸を啓く)でした。ようやく春に兆しが感じられる頃なのですが、週初めには強烈な寒波が列島を覆い、寒い日が続いていました。“暑さ寒さも彼岸まで”、だそうですから、寒さももう少しの辛抱です。 
 図録はこの季節の花です。今まで目にして来たものは、オモテのものでしたが、ウラの白い花は初めて見ました。この花特有の香りには、差がないように感じました。ウィキペディアには「チンチョウゲとも言われる。漢名:瑞香、別名:輪丁花。 原産地は中国南部で、日本では室町時代頃にはすでに栽培されていたとされる」、とあります。

 ところで、原発再稼働のお噂です。高浜原発4号機(福井県高浜町・関西電力・出力87万kW)が2月26日午後5時に再稼働した、と報道されました(2/27付)。この原発は定期検査で停止していて、再稼働は約4年7カ月ぶり、とのことです。
 そして、新規制基準に適合した原発の再稼働は九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)と高浜3号機に続き4機目となります。
 福一事故以降の新規制基準に適合した原発でも、“安全であるとは保証しない”と原子力委員会長が発言しているにも関わらず、動き出す原発はその数を増やしています。
 ところが、この原発で29日、発電と送電を始めた直後に変圧器周辺でトラブルが起き、原子炉が自動で止まった、との報道されました。この原発では、20日に原子炉補助建屋で放射性物質を含む水漏れが見つかり、ボルトの緩みが原因で点検して、再稼働をしたのです。
 関電はこの事故について、「送電線につながっている変圧器周辺で異常が発生した可能性が高い。この変圧器は、タービン建屋の発電機で起こした電気の電圧を送電前に2万3千ボルトから50万ボルトに上げる設備。現場付近で火や煙などは出ていない」、とのことです。
 ですが、20日の事故がボルトの緩みとは、必要な工程での手抜き作業の結果です。また、29日の事故も通常に行っているはずの流れの一部でしょうから、ここで事故発生はもっと深い部分に原因があるように思うのです。先ず再起動ありきで、実行すべき手順を踏んでいない、なんてことはないでしょうね。“本当に大丈夫なの”が多くの方々の感想でしょう。
  話変わって、福一事故に関してです。検察審査会に「起訴すべき」と議決された東京電力の元会長ら3人が、業務上過失致死傷の罪で強制的に起訴されました。裁判では、原発事故を引き起こすような巨大な津波を事前に予測することが可能だったかどうかが最大の争点になる、と伝えられました(2/29付)。東京電力の元会長の勝俣被告、元副社長の武黒被告、元副社長の武藤被告の3人は、福島第一原発が津波で浸水する可能性について予測できたはずなのに適切な措置を取らなかったとして、業務上過失致死傷の罪に問われているのですが、元会長は報告を聞いていない、他の二人はこの報告は聞いたけど、根拠が不十分だったため巨大な津波は予測できなかったと主張しているようです。業務上過失致死傷の罪は、被害を予測できたのに対策を怠った場合でなければ有罪にならないため、元会長への報告の有無や、試算に十分な根拠があったといえるかどうかなど、津波の予測が可能だったかが最大の争点になります。
 過去の検察審査会に「起訴すべき」と議決された事案で有罪となったのは、数件でその多くは“証拠不十分”で無罪となっています。再稼働推進派の全国紙Yは、本件も無罪だろうと書いています。結局、自然の力が人知以上だったので、事故は防ぎようがなかったのだ、になりそうです。
 とすれば、福一事故から得られる情報を生かすのは、電気を原発に依存するのは止めよう、となると考えるのが普通人の感覚だと思うのですが、既得権益にしがみ付く我が原子力村の住人は、そのようには思わないようなのです。
 今週の金曜日は事故発生から5年です。いまだに故郷に帰れない方々が多くおられるのです。これ以上このような人たちを増やさないようにするのも大切な政策を思うのですが・・・。“雑魚の歯軋り”です。
平成27(2016)年3月2日(水):撮影