浮 名 (うきな)

展示番号;

二十九

展 示 日;

平成30(2018)年9月10日


 作品の諸元   〔単位;ミリ〕
茶杓

長さ 全長 185.0 
節上 88.0 
節下 97.0 
櫂先 10.0 
6.0 
切止 5.0 
茶杓
長さ 全長 180.0 
節上 76.0 
節下 97.0 
櫂先 9.0 
5.0 
切止 5.0 
       
長さ 全長 213.0 
筒部 203.0 
詰蓋 10.0 
太さ   29.5 
削り   真削り

口 上


杓 1

煤竹。無節、節の上下に伐採時に着いたと思われる鉈(なた)キズが複数ある。
そのままの状態で燻されているので、それが一つの景色になっている。
また、枉げにあたる部分に虫食いのためヒビが入ってている。
竹の素性が真っ直ぐでなく、節上が右に曲がっている。
櫂先の枉げは、緩やかとしている。

杓 2

 順樋の白竹。樋は浅く単樋である。
 櫂先の枉げは、ゆったりと、緩やかとしているが、「茶溜まり」部に虫食いの影響による
 凹み(ヘコミ)が出来ている。

白竹。
竹の表面の薄皮を全周に亘って、そぎ落としいる。
蓋(栓)は、杉材。〆印は刀彫。

杓1の景色(鉈キズ)から「与話情浮名横櫛」の「[与三郎」を連想し、この銘にしてみた。となれば、「お富さん」をと思い、白竹で華奢な(?)杓2を合わせている。
利休による求道的な草庵の侘茶を目指し、禅宗にも影響を受けている茶道には、全く相応しくない“銘”となっている。
平成30(2018)年8月の作。 平成30年度、ユートリア祭への出品作。