16/12/26
遠望・天空樹
  先週の21日は冬至(冬の最中で寒さの厳しい時期)でした。この日は古来“一陽来復”と称されてもいます。日の出が日々に遅くなっていましたが、この日を境に早くなって行きます。陰が陽に転じるおめでたい日で、クリスマスや正月も冬至を祝う風習がその由来だそうです。柚子の香がするお風呂に浸り、近頃では甘さ控えめが常識のケーキを口にし、喉に詰まらせないようにと小さく切った切り餅の準備など、何やら慌ただしいのも、目出度い冬至のお蔭。太陽の淡い光に幸せを祈る時期のようです。と言って、この話は北半球で通用することですね。
 図録は、22日(木)に開催された歩く会で訪れた千葉県市川市の“里見公園”から撮ったものです。ここは下総台地の西端で江戸川に面しています。奈良・平安の昔、ここには下総国府が置かれていたとのこと。ですから、この辺りの地名は「国府台(コウノダイ、と読みます)」にその名残があります。 
 ところで、今回は“福一事故の対応費用”のお噂です。事故発生後の時点で、この費用を約11兆円位と想定していました。それが、ここに来ての見直してみると“約22兆円になりそうだ”となり、慌てた(?)経産省は東京電力委員会を立上げ(嫌な言葉ですネ)、その対応策を検討していたのですが、その結果の提言が出されたと報道されました。
 その提言には様々な要件がありますが、普通の国民(衆愚)に直接関係しそうな事項は、
 1.国民全体で福島を支え、消費者間の公平性を確保する観点から、賠償の備え不足について新電力の契約者も含めて広く負担を求める。
 2.柏崎刈羽原発の再稼働は確実に収益の拡大をもたらし、福島事業の安定にも貢献する。
の2項なのです。
 1項は、“本来であれば、原発の稼働時から事故に備えて積み立てておくベき費用(=事故賠償費)”が不足、もしくは積み立てておらず、約2.4兆円を沖縄を除く全国の電気利用者から新たに徴収することとし、新規参入の新電力も2400億円分を負担させる、としているのです。そして、この費用は2020年度から40年かけて送電網の利用料金(託送料)に上乗し、電力各社は顧客の支払う電気料金に転嫁して、標準家庭で月18円の負担増となるとのことです。この委員会の伊藤邦雄・委員長(一橋大特任教授)は「(福島事故は)国難であり、国民全員の理解をもって回収していくことが必要だ」と話しているそうです。
 しかしです。この言にはいささか意義がありますよね。福一事故は人災です。人災であればその発生原因は“ヒト”でしょう。そのヒトの不適切さを棚に上げて、「国難であり、国民全員の理解を」、などと口にする人物を委員長に据えている委員会って何でしょう。それらしく時間を費やしていますが、ここまでして原子力村の既得権益を守りたいのかと思うと情けなさに“三歩あゆまず”です。
 また、2項は、発電コストの最も安い原発(この期に及んでも、まだこんなことを言い続けています)を再稼働させて、東電の収益性を高めようとするものです。柏崎刈羽の原発を再稼働させれば、年間の収益が1千億円の改善が見込めるとのことです。ですが、今年10月に就任した新潟県の米山隆一知事は、原発の再稼働に慎重姿勢です。その姿勢を知りつつ、この再稼働を対策費用の中に織り込む、何かおかしいように思います。「捕らぬ狸の・・」を含めた計算が、約22兆円となれば、この委員会の提言に意味はあるのでしょうか。
 また、この委員会は目先の利益、もしくは既得権益の保護のためにあるようです。原発の再稼働は、また新たな“事故の対応費用”の捻出のための原因を作っているとことを認識していません。前回もお噂しましたが、我が国の原子力規制委員会長は「基準をクリアしても安全とはいえない」と言っているのです。委員会はこの言葉を知らないのでしょうか。もしくは、福一事故が起こっても、未だに“原発安全神話”の信者、それとも“醜女の深情け”なのでしょうか。
 福一事故の際、大量に放出された放射性物質セシウム137の半減期は30年。賠償費用は2020年度から40年払い続けることになるのです。
 今回も杜甫甫‼‼‼。
 
   平成二十八(2016)年 丙申(ヘイシン ひのえ・さる)は今週で閉じます。
来年は丁酉(テイユウ ひのと・とり)です。古来の占いでは、「これまでの主活動が一応の形を成し、
発展がピークを越える一方で、周辺勢力を含めたあらゆる機運が熟して発する、
いわば革命の岐路となる年」とのことです。

貴兄貴姉にとって、くる年が良い年でありますよう、願っています。 

 今年も何の役にもならない空っぽな“戯言”のお付き合いいただき、ありがとうございました。 
平成27(2016)年12月22日(木):撮影